初日に拝見した感想です@横浜アリーナ
一言でいうと……
スケーター、俳優、アーティスト、パフォーマーによるシナジーほとばしる色彩キラキラ氷上エンタメ
~トキオの人生の破壊と再生とクソデカ感情 、この大野拓朗が観たかった2024~
みたいな夢のようなショーでした!
以下、ネタバレには配慮していないので、 未見で楽しみにされている方いたらブラウザバック推奨です!
初めてのアイスショー体験のきっかけ
当方、フィギュアスケートはテレビでグランプリファイナルやオリンピックがやっていれば観る程度でして、 昨年は推しコンテンツの『進撃の巨人』の楽曲を使ってくれた三浦佳生選手を応援したくてFOD配信を見てたくらいです。 なので、フィギュアスケートになんとなく好感をもっていたものの、アイスショー現地に足を運ぶ……という発想すらなかった人生でした 。
好き俳優 大野拓朗さんが 出演を告知するインスタグラムをみるまでは…
え? スケートできるの?(後に判明するのですが、未経験だって 器がでけぇ~~~)
ミュージカル俳優だと思ってたけど、スケートみせてくれるん? (2週間+で合宿頑張ったらしいよ すげ~~~)
調べてみると、あの高橋大輔さんが数年前から取り組まれている、スケートの表現を活かした舞台のシリーズとのこと。荒川静香さん、村元哉中さんをはじめとしたスケート界の精鋭や、まりゑさん、長谷川開さん、エリアンナさんなどうたうま俳優も出演されており、全編ゆずさんの楽曲使用、本人たちの生歌唱あり!?
なんだ!?異種格闘技戦か?!
よっしゃおもしれぇ! 観に行くか! とウキウキとチケットをとりました。
今回は直前の代役での起用とのことでしたが、 『急場での取り組みなのに大丈夫なのだろうか』という不安はこの時点ではまったくなく(悪いファンだな心配しろ)、拓朗さんにとってのチャレンジ、見逃せないぜっ!という「いざ鎌倉」感でした。
発表されてからというもの、たまにしか更新されないSNS更新がしこたまありウキウキ感満載! あと、いろんなファンの方がおすすめしてくれたかなだいペアのさいたまアリーナでのオペラ座の怪人と、 『股下が1LDKある』という噂の島田高志郎くんを予習して本番を待ちました!
事前にもお優しいスケートファンの方が拡散してくださった アイスショーのマナーや持っていくと良いおすすめアイテム(バナーとか双眼鏡の倍率)などを勉強して、安心して参戦することができました!
推しの話
当日、楽観120%で観に行った私ですが、開演前にやっと「氷の上で歌って芝居するのって…難しいよな…こ、転んだりするかな……」と緊張してきました。(遅すぎ)
開演後、オープニングは、もうなんか祈るような気持ちでした。
しかし!転んだりしませんように――といった不安を秒で消し去ってくれるほど、 ジェットコースター感あるエンタメが始まりました。
推しが氷上に……!? スケート靴の分 いつも長い脚が拡張されてる!?
正面のデカデカ高解像度モニターにうつる好き俳優の顔……美……彫刻……!?
はわ~!!
こ、こんなのみせていただいてよろしいんですの!?
やった~~~生きててよかった~~~~ !!!
このままだと、『毎秒良かったな』という感想になってしまうんで、特に好きだったシーン3選 です
感動したシーン3選
-
投資詐欺に遭い、友を失い、氷上で慟哭するトキオ
前半の展開、銀河鉄道にのるまでのめちゃくちゃ重たいシーンがあったんですが、 このトキオ(拓朗さん)、『この大野拓朗が観たかった2024』 にランクインするほど、良かったです。
原作が切ない話なので、生死にかかわる激重展開は予想してたんですけど 、『アイスショーってキラキラしたもの』という先入観がいい意味で裏切られました。
拓朗先輩が演じるトキオは、ボタンの掛け違いから 夢を約束した幼馴染に裏切られたと感じ、焦りから投資詐欺に遭い、事故で愛する人(でいいんよな?)をなくし、それを周囲に責められながら絶望します。トキオは若者らしい視野狭窄や、焦りによる短絡的判断もあり、なかなか青々しいんですが、ちょっとヘタレなとこもあってかわいいです。
♪レトロフューチャー♪表裏一体
このあたりの演出、めっちゃいい……スケートのスピード感が、映像のように取り囲み、トキオを責め立てるの、見ごたえがありました。
氷上に崩れ落ち、声にならない悲鳴をあげ、悲しみに嗚咽し、ぐちゃぐちゃになり、天を仰ぎ見、声を上げて泣く、
── まさに【慟哭】の演技。
今思い出しても、心がギュッとなります……
王子的なキラキラした演技も、凛とした司令官な演技もサイコ~なんですけども。
『推しの美俳優による重たいストーリーで見せる「辛・泣・惑・慟哭・絶望…死へのまなざし」みたいな顔や表現、めちゃくちゃにみてぇ〜 腕前見せて(うちわ文字)』と常々思っておりますので、 絶望を前にした推し俳優の感情表現を観ることができてめちゃくちゃ嬉しかったです。
ちなみに荒川静香さん演じるドヴァイの富豪婦人に対して、カケル(大輔さん)は警戒している細かい演技が好きでした。
大輔さんの演技は、自然体で、穏やかで、まじりっけなしの天然水のようなかんじで、トキオにとっての"運命の男の子"として、すごくあっていると思います。
-
「蠍座」で憎き相手にナイフを向けるシーン
銀河鉄道モチーフなんで星座がでてくるんですけど、『蠍座』のワードがでてきてよっしゃと密かに握りこぶしを固めました (大野拓朗は蠍座の男)
物語としてもトキオの『生き直し』に非常に重要な過程で、心にギュンギュン刺さりまくりました。
トキオをおいつめたドヴァイの富豪も、自身の死は裏切りによるものでした。
(これは原作の『サソリ』のオマージュかな?)
その彼女に短剣を手に持たされ、自身に向けて指すように誘惑されるトキオ。惑いながらも怒りや憎しみを飲み下し、赦し、剣を捨て去ったあの一瞬の表情……
これを謎の資本力によるデカデカ高解像度モニターに見せていただけていいんですか!?
あと荒川静香さん~~~~~~~~~~演技めっちゃ好きでした……
わたしが物心ついて初めて認識したフィギュアスケートの英雄は、 トリノの荒川静香さんだったので、実際に拝見できたのも嬉しかったんですけれども!
スケートが速い! 速いのに繊細! ”脅威”として場を支配するカリスマ! そして大人の色気!!!!!!!!!!!!!!!!!! 身体もめっちゃきれい…その背中の筋肉…ええええん……憧れる…… お姉様……🥺❤ ってなってました。
エリアンナさん演じる蠍座の女王の歌唱も最高! ビジュも声もあのシーンにぴったりでした!
奇々怪界、ずっと聴いてる…
(エリアンナさんも進撃の挿入歌歌ってくれて懐いてます)
-
「白鳥座」での幼馴染との邂逅
トキオがやっと自分がひどいことをいってしまったことを悔やみ、 魂の世界において幼馴染が再会したシーン。
村元哉中さん演じるユキちゃんの演技、可憐でしたね~ 純白の衣装を着て踊りながら滑るかなちゃんさんが、芯の強い素敵な女性感をかもしていて、お姫様みたいにきれいなのに、かっこよかった~~~ 指先まできれい……🥺❤
スピードもギュンギュン速いのにカケルの大輔さんとの息もピッタリで! なんというか、セリフはないのにカケルとユキの想いが伝わってくるというか……わたしがトキオに思い入れがあるからかもしれないけど、 すごい大事に想ってくれていたし、いまでも大事なんだよって言外に語りかけてくれるのがわかるというか…あのきれいなシーン、スケーターならではの身体表現の『凄み』すら感じましたね
言われてみると、競技の高いレベルで表現力を磨かれているみなさんなので、ストーリー表現はお手の物なんでしょうか!
しかしですよ!?ゆずの曲を氷上で歌い上げる好き俳優!!
の周りで、トップレベルのスケーターたちが素敵に滑ってくれる体験……is なに……?すごいなあ~~~~!?
わたしの走馬灯に加わってほしいシーンがまた増えてしまいました(?)
久しぶりの拓朗さん、すごいよ~~
過去の氷艶では俳優さんはすべらない靴を履いて床上で演技することもあると聞いていたのですが、 結果的にはほぼ氷上にいらっしゃいました!
<体感>
- 自力で氷上で立ったり移動したりしながら演技や歌やダンス 7割
- パフォーマーに押してもらったり、ソリにのせてもらう 2割
- スケート靴のまま階段をのぼり台の上で演技 1割
もちろん、スケーターの方のように自在な動きというレベル感ではないものの、 転びそうになる展開はまったくなく、危なげなく後方にスイーッと移動したり、地べたに這いつくばる演技や座る演技からまた何にも掴まらずに立ち上がる……というのをスイスイこなしてました! しかもダンスの時ちょっとジャンプしてた!(翌日のレポではダンスステップもしてたらしい!進化著しすぎる)
拓朗さんは昨年からオーディション合格を経て渡英し、イギリスのウェスト・エンドで『太平洋序曲』という演目に参加しており、全編英語の演技歌唱をされていました!!!
という、すごい場面を渡英を断念しみておらず……久しぶりの現場だ♪どんなにパワーアップしているのかな♪というウキウキの現場だったのですが、またいちだんとでっかくなって帰ってこられたとおもいます。
氷艶での拓朗さんは、海外公演を経て、さらに『シナジー』を大切にされているように思いました。
普段の舞台とは異なり、ほぼ360度人の目線が来る状態。 共演者も板の上の人間にはない動き・スピード感をされています。
そんな中、周りの動きや感情のやりとりへのアンテナを最大限に伸ばしていて…… スケートのエリートたちと氷上にただ一緒にいるだけでは違和感が生まれてしまうのだとおもいますが、 感情や表現を「交感」することでそれぞれのプロとしての最大限を発揮させていたと思います。
うまく説明できませんが、たとえば大輔さんの声のトーンや、セリフのテンション、ぶつけられた熱量を大事にもらい、エネルギーに変換し、『一緒に』演技しているのがすごいと思いました。
大輔さんの演技や歌唱をはじめてみましたが、あまりに自然で途中はスケーターであることを忘れていました。お歌も『そういえばお歌上手いな!?』ってあとからしみじみびっくりした感じあります。
後半になるにつれて、スケーターの皆さんの演技や歌唱もどんどんすごくなっていくんですけど、 それをもらってエネルギーに変えていく拓朗さんが、トキオとして生きていく解像度が高くなっていて――なんかもうすごいもんみたな……とおもいました。
あと、声の伸び、というとありきたりになってしまいますが、こちらもいつもながら素敵でした。レトロフューチャーとか、表裏一体、逢いたいらへんが好き~~~~!! エルヴィン団長として場を制圧したカリスマを表した美ブラートとはまた違い、 一人の等身大の男性の、希望・絶望をあらわす歌唱が大好きでした。
はーー推しって最高!
物語への感想
心に残った部分
物語は トキオの絶望と再生を通して、 生きる意味、というのを問いかけられるストーリー構成だと感じました。
随所に出てくるりんごは、その命のリレー、聖なる透明なたべものなんですかね。トキオを騙したドヴァイの富豪婦人が、たまたま転がってきたりんごを拾ってあげて、なんだか救済を得たようになるのが印象的でした。
あとあと!友野一希さんの演じる、津波で命を失った青年の話は号泣してしまいました。 (先の大震災の戦死者ですかね) 自己犠牲がテーマの 友野さんの歌唱も幅のある声質で、会場中に届けようとする姿勢に好感をもちました。 トキオに生きることに目を向けさせてくれたのは、あの青年の力強さでした。
トキオの感情の流れにフォーカスされてたり、物語のセリフ量もあって、トキオも結構主人公感あるんですが! やはり、大輔さんのカケルが主人公だな~~~と思いました!
トキオにとっての、幼馴染であり、好きな相手であり、バカデカ感情の赴く先のカケル。そのカケルとの不思議な旅路で、自己の抑圧、怒りや執着を手放して、生きるということを見直すんですが――
カケルの主人公的な『ヒロイックな自己犠牲』『超然とした存在』でいる説得力があるんです。 それはスケーティングに宿る魔法性というか……! 特に感じたのは終盤、自死のせいかブラックホールに吸い込まれそうになるトキオを、カケルが救い出してくれるシーン。この剣舞をとりこんだスケートの表現がとにかく圧巻でした。
自在に氷上を舞い人を引き付けるひとで、愛されている理由の一端をしりました!
あと、ショーが終わって周回しているときの、ほわほわお兄さん感めっちゃギャップあって可愛かった~~~~
ゆず楽曲のポップスミュージカルじゃん!!
ゆずってすげぇな……とおもいました。
すみません、日本のトップレベルのアーティストなんでいまさらですよね。 今回、物語内で命はひととの繋がりで"今"につながってきて、そして尊いものなんだということが、ゆずの楽曲のメッセージを活かして語られてて、曲と歌詞の良さにしみじみしていて…… これは完全に、ポップス楽曲を用いたミュージカル劇でしたね!
でさあ、見ました?あのラストのブチアゲ方を……!?
トキオが「カケル、そこにいるね」と目を潤ませて最後のセリフを言った後に聴く、描き下ろし楽曲『十字星』、エモすぎましたね……えーん しかも、アンコール的に氷艶メンバーに捧げられた 虹、Beautifulにいたっては会場テンアゲ!音源くれ〜と調べたら7月31日にリリースされるゆずのニューアルバム『図鑑』に収録されるとのことなので、みんな買おうぜ!(勝手に宣伝)。
一番ギャー!!ってなったとき
トキオ(拓朗さん)のカケル(大輔)さんのクソデカ感情の正体がわかったときは衝撃だったよね… あらすじ読んで男男女の幼馴染の三角関係だ~大好き~~ってなってたんすけど、三角関係じゃなかったな!?
トキオはさ……カケルを独占されたとおもって嫉妬と羨望でユキチャンに辛く当たっちゃうんだ……(パンフ情報) ケンタロウス座の『誰もが自由に愛し合えばいい!』のあとの展開と、 開演前にパンフレットの拓朗さんのパンフのインタを読んでたんすけど…… 『点と点がつながってしまった!』って何故かうずくまりそうになりました。
デカデカ感情の伏線回収、オタクが一番好きなやつです。ありがとうございました。
他に好き~~~ってなったところ
友野一希さん・島田高志郎さん
- 現役の精鋭選手がトキオとカケルの子供時代を演じてくれるんですけど、それがも~~~さわやかでキラキラでかわい~~~~~疲れた社会人にきらめきをありがとう~~~~~!!! 青春キラキラなんですけど、スケーティングがエグいかっこよくて…… なんとなく、友野さんは大輔さんに、島田さんは拓朗さんにイメージ通ずるな~~とおもってたので、 子供時代やってくれてハッピーハッピーハッピーでした!
- ケンタロウス座での多様性をテーマにしたフェスティバル。 ここで踊りまくる島田高志郎くんめちゃくちゃ良かった。ダンスが魅力的でずっと見てしまった……! ショーパフォーマンスの才能があるとおもう……脚も7キロくらいない!? 手足が長いから空間で目立つし、緩急が素敵だなあと思いました! 友達からワンピのサンジが良かったよ!って聴いていたんですけど、普通に板の上で俳優さんやっても映えそうで納得でした。
アンサンブルのスケーター&パフォーマー
-
群舞?っていうのかな、隊列を組んですごいスピードで滑ったり、スケート靴をはいたままアクロバットをしたりと見ごたえがありました。
キッズのスケーターのみなさん
-
もう年なんか性格上の問題なのか、涙腺がゆるくて、キッズのスケーターのみなさまが出てきた時点で泣いちゃった(保育園の運動会で他所の子の演技も泣くタイプ) みなさんもう本当にお上手で……きっと未来のトップスケーターになる子もいるのかな!? 小さいながらも「演技をみてもらう」という意識があり、本当に素敵でした。 おばあさんたちのシーンはもうボロボロに泣いてた。
開演エピ
-
私はアリーナ席の通路にいたのですが、開演直後『やたら良い姿勢でいい服を着たオーラのある青年』が横を歩いていきました。うしろから『ヒャッ』『ヒっ』という悲鳴がさざなみのように伝播していのでありよくみると、
大輔さんだ~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?!?!???
いきなりの展開にテンパっちゃいました。対岸に拓朗さん、すぐそこに大輔さん。ど、、、どっちを見ればいいんだ!? どっちもみてぇ~~~~~ちょっと双眼鏡のぞいて…… ってときに、同じように向かい側にいる大輔さんファンがこっちと拓朗さん見てて可愛かったです。
交換留学だね♪
おわりに
鑑賞後、日本のエンタメにはまだまだすごい人や、未知の体験があるんだなあと希望にみちた気持ちになりました。 なにより『アイスショーを観に行く』という選択肢が人生に生まれてなんか得したな~~人生の実績解除だぜ!って嬉しい気持ちになりました。また機会があれば観に行く心のハードル激下がりで見に行きたいです。
しかし、普段は畑の違うエンタメを嗜むわたしでも『スケートの繊細な感情表現』に魅せられたという点において、本当に大輔さんをはじめとしたスケーターの皆様は素晴らしいお仕事をされるのだなあと感じいりました。
トップレベルのスケーターの方は、おそらく競技やショーの普及にも努められているのだと思いますが、ご自身の挑戦の背中をもってそれをなし得ているのが素敵だなあと感じます。
わたしは大満足!ですし、今回においても演者・スタッフのみなさまがベストを尽くされた奇跡のエンタメでした。 代役だったからこそ好き俳優が観れたことはおいておいて、もし、本来ならではの座組のポテンシャルを100%発揮したらどうだったんだろう~!?というのも気になるところです。きっと次回もあるとおもうのですが、脚本から演出、映像作成などのクリエイターの方や、演者、その他スタッフのみなさまがお力を発揮できる環境であればいいと願います!がんばれ~!
スケーター、俳優、アーティスト、パフォーマーのみなさんが垣根を超えてるのが元気出ました! お互いをリスペクトしてる様子が見れて、本当最高でした。
最終日まで怪我なく、お力発揮されますように!
こういうエンタメをこれからも応援したいな~いのち果てるまで!
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/genkakustage/20240610/20240610000816.jpg)
![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/genkakustage/20240610/20240610000806.jpg)